ORAL HISTORY ARCHIVE:HIROKO ISHIZAWA
- Date:xxxx.xx.xx
- Location:Tokyo
- Role:Author
- Type:Award
世界で最も広く利用されている日本語教科書の一つであり、日本語教育の展開に大きな影響を与えた『みんなの日本語』、そして、その前身である『にほんごのきそ』『新日本語の基礎』はいかにして作成され、なぜ、これほどまで普及したのか。教材開発に重要なこととは何か。
制作に携わられた石沢弘子先生にお話を伺いました。
日本語の花を咲かせる―『にほんごのきそ』『しんにほんごのきそ』『みんなの日本語』制作秘話―
https://oralhistory-jle.com/archive/329/
■石沢弘子 Hiroko Ishizawa
1945年神奈川県横浜市生まれ。1968年早稲田大学教育学部国語国文科卒。1968年から1971年まで山脇学園中学校・高等学校国語科教諭を務め、1971年に、外務省の外郭団体である国際交流サービス協会(IHCSA)の日本語教師となる。1972年に財団法人海外技術者研修協会(AOTS)に常勤日本語講師として着任。国内外の日本語教育に多大な影響を与え戦後を代表する日本語教科書となった『にほんごのきそⅠ』(1974年)、『にほんごのきそⅡ』(1981年)、『しんにほんごのきそⅠ』(1990年)、『しんにほんごのきそⅡ』(1993年)、『みんなの日本語初級Ⅰ』『みんなの日本語初級Ⅱ』(1998年)、の開発に参加し、『しんにほんごのきそ』シリーズでは制作委員長を、『みんなの日本語』シリーズでは監修を務めた。1999年にはAOTSに新設された日本語課の初代課長に就任し、日本語教育、日本語教材開発、教師養成に寄与した。2006年に AOTS を退職した後、2008年9月より目白大学の要請で留学生別科日本語専修課程(JALP)の立ち上げに携わり、2009年より同大学日本語・日本語教育学科教授、日本語教育センター長、留学生別科長を務めた。2016年に目白大学を退職。2019年4月よりKOYO国際学院の校長に就任。
『にほんごのきそ』
発行年:1974(Ⅰ)・1981(Ⅱ)
出版社:海外技術者研修調査会
概要:(財)海外技術者研修協会において開発された日本語初級総合教科書。アジア・アフリカ・ラテンアメリカからの技術研修生が日本で生活し企業で研修を受ける上で必要な日本語力育成が目的とされている。Ⅰは30課、Ⅱは20課で構成され、それぞれ5週間で基礎的な日本語について学ぶことができる構成となっている。後に開発される『しんにほんごのきそ』『みんなの日本語』に見られる“練習C”は存在しないものの、それらの発展にいたる道筋をつけた礎としての役割を果たした日本語教科書である。
『しんにほんごのきそ』
発行年:1990(Ⅰ)・1993(Ⅱ)
出版社:スリーエーネットワーク
概要:(財)海外技術者研修協会で培われた日本語教育のノウハウに基づいて作成された技術研修生向けの日本語総初級合教科書。各課には文型、例文、それらを応用した会話文が掲載され、文型の確認とドリル練習、会話練習という三種の練習と、それらの定着を確認する聴き取りと文法問題、そして読解問題で構成されている。日本語を構造的に捉え段階的な学習を可能とした日本語教科書であり、技術研修生以外にも広く用いられ、留学生や就学生、難民を対象とした日本語教育にも用いられた。
『みんなの日本語初級』
発行年:1998(Ⅰ・Ⅱ)
出版社:スリーエーネットワーク
概要:技術研修生向けに開発された『しんにほんごのきそ』を基に、対象を限定しないものとして開発された初学者向け日本語総合教科書。Ⅰ、Ⅱともに25課で、合理的に組み立てられた指導項目と充実したイラスト、表現するための活動で構成されている。14カ国語に翻訳された対訳版や副教材も充実しており、戦後の初級総合教科書の中で最も普及した教科書シリーズの一つである。その影響力は絶大で、国内外における日本語教師の能力育成やスキルの底上げも実現した。
ORAL HISTORY ARCHIVE『日本語教育100年史』
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